英加仏がイスラエルに警告、日本からも声を上げる時
ガザへの軍事行動をさらに拡大すると、イスラエルのネタニヤフ首相が明言した。市民の多くが命を落とし、避難所も医療施設も標的になっている現状を前にしてなお、強硬な姿勢を崩さない。
だが、ここにきて、イギリス・カナダ・フランスの三カ国が、イスラエルに対し明確な警告を発した。軍事作戦の停止を求め、従わなければ具体的な行動も辞さないという。この動きは、ようやく国際社会が一線を越えた現実を見つめ始めた兆しにも思える。
その直後に伝えられたのは、「11週間ぶりに支援物資を搬入」とするイスラエル側の発表だった。その数、トラック5台。200万人近い人々が、水も食料も不足する中での、5台。国連はそれを「大海の一滴」と評した。言葉通り、焼け石に水だ。
このわずかな支援をもって「人道に配慮している」と語ることが、果たして誠実な態度だろうか。いや、単なるアリバイ作りでしかない。それを受け入れるような沈黙を、日本が続けていてよいのだろうか。勢力地図ではなく人道の問題だ。政府が、勢力地図の縛りから抜けられずにいたとしても、日本国民までがそれに縛られてはいけない。
かつて日本には、杉原千畝という外交官がいた。彼は外務省の指示に逆らってまで、ナチスから逃れようとするユダヤ人にビザを発給し、多くの命を救った。その人々の子孫が、今のイスラエルに生きている。ならば、杉原の国に暮らす私たちは、何を語るべきなのだろう。
ただ、断罪をすればよいという話ではない。人道に背を向ける行動に、明確に「NO」を示すこと。過去の記憶と、現在の痛みを結ぶ声を我々のものとするべきだ。
怒りは、時に怒りは静けさの中に宿り、声は怒りの中より出ずる。世界が少しずつその声を取り戻しつつある今、日本にもまた、沈黙の向こう側にある言葉を発することが求められているように思う。そして、この声、イスラエルの人達にも届け!