正義は勝つとは限らないけど、黙ってたら絶対に負ける

 「正義は勝つとは限らないけど、黙ってたら絶対に負ける」
   そんな言葉を、漫画家のやなせたかしさんが言っていたような気がする。記憶の中の断片なので、文言の正確性に自信は無いが。けれど、今の社会にぴったりと重なる言葉だと思う。
    私たちは、日々の暮らしの中で、「おかしい」と思っても、「理不尽だ」と感じても、黙ってしまうことがある。その気持ち、わかる。面倒だし、私のような偏屈者を除けば、周りから浮くのが嫌だろうし、何より、どうせ庶民が声を上げても何も変わらないと思ってしまう。
    でも、そんな時は、マルティン・ニーメラー牧師の言葉が胸に蘇る。

たとえば、最初に誰かが差別されたとき、私は行動しなかった。
それは自分の問題ではないと思っていたから。
誰かが仕事を奪われたとき、私は沈黙していた。
自分の暮らしはまだ安定していたから。
そして、私自身が追い詰められたときには、
すでに誰も、声をあげる人はいなかった。

    私たちは、いつも「自分が関係あるかどうか」で判断してしまう。
    でも、本当は誰かの苦しみに寄り添える社会のほうが、自分も助けてもらえる社会に違いない。
    声をあげるのは、いつも「誰かのために」であって、まわりまわって、それは「自分のため」でもある。
    今の日本に必要なのは、
我慢を美徳とする無言の国民ではなく、「もう我慢できない」と言える市民だ。
    そのひとことが、次の声を呼び、やがてうねりになる。
    誰かの沈黙を責めなくていい。でも、自分の声をあきらめないでほしい。
      正義は勝たないかもしれない。でも、黙っていたら、勝つチャンスさえなくなる。
    だから、声を上げよう。その声によって誰かが、「自分も声をあげていいんだ」と思えるように。

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