大河原化工機冤罪事件に見る警察のやり口は、地回りのヤクザ同然
大河原化工機冤罪事件における警察のやり口は、とことん酷い。
無理筋な逮捕と、がん患者を死に至らしめた人質司法も許しがたいが、今度は、警察OBのいない企業を狙い撃ちした事実が持ち上がった。
いわゆる天下りといえば、官僚OBが政府とのパイプ役となり、仕事を受注する見返りとして企業に迎え入れられるという、不透明かつ不健全な構造だ。
もちろんそれ自体も看過できない問題だが、大河原化工機冤罪事件て露わとなったのは、警察OBの場合、「パイプ役」というより、「天下りを受け入れなければ狙い撃ちにされる」という、もはや脅しに等しい状況だ。
大河原化工機冤罪事件を報じた毎日新聞の記事によれば、捜査を指揮する立場の人物が「警察OBのいない会社を重点的に調べろ」といった趣旨の指示を出していたという。これはもはや、法の執行機関としての倫理を踏みにじる所業ではないか。
天下りを受け入れれば見逃され、受け入れなければ容疑をでっち上げられる。
まるで、みかじめ料を払えば守ってやると近づき、払わなければ自らが因縁をつけて商売が出来ないように邪魔をする、今どきは姿を潜めた、地回りのヤクザのようだ。
警察とは、市民の安全と権利を守るために存在するはずではなかったのか。
ここにみられる警察官の活動は、腐敗した組織そのものだ。異常な現実が、国民の目には分かりにくいところで静かに進行している。警察官僚の天下りを含め、警察の活動には厳しい監視の目が必要で、警察を監察する公的機関やオンブズマン組織が必要だ。