投稿

2月, 2026の投稿を表示しています

「エモさ」で平和を手放すな、と歴史は語る

    高市首相の台湾に関する発言をきっかけに、中国の対日措置がさらに強化された。     日中は互いに譲れないチキンレースを始めたかに見える。     この構図は、太平洋戦争直前に米国が日本に突きつけた外交要求書、ハル・ノートに似ている。     ハル・ノートには、日本が満州や中国での侵略行動を控えることや、国際的に合意した条約を順守することなどが要求されていた。     それは、「満蒙(満州と内モンゴル)は日本の生命線」とまで謳っていた日本にとって受け入れがたい内容だったため、日米間の緊張が極度に高まった。     結果として、日本は米国に対する憎悪に突き動かされ開戦を決意、真珠湾攻撃に至った。     怒りや感情が戦争の燃料になり得ることは、歴史が示しているのだ。 軍拡を堅調に進める為に世論をリードしてきた政府(軍を含む)だったか、いつしか立場が逆転。いれ込み過ぎた国民世論に逆に突き上げられて、開戦に踏み切らなければ国民が暴動を起こし内戦と化す心配すらしていたんだ。     私は当時の様子をこの目で見た訳では無いけれど、戦争体験者であり、豊かな取材経験を持つ、ジャーナリストの田原総一朗さんの著書に、この辺りのことが書かれている。     では現在の私たちはどうだろうか。SNSから繰り返し耳目に入ってくる類似情報を通じて、中国憎しの感情に無自覚のうちに刷り込まれ、さらに増幅させられてはいないだろうか。     今の中国は、日本の5倍の国力を持つ。軍事力も日本に対して圧倒的だ。高市首相が頭を下げるより、むしろ中国の首脳は、日本から先に開戦を決意して欲しいと望む可能性すらある。かつてのアメリカ首脳が日本から戦端を開くことを待っていたように。     だとすれば、日本のさらなる右傾化こそ、中国の望んでいることだ。穿った見方をすれば、中国の日本に対する締めつけは、敢えて増悪を引き出すため。     まあ、それは今のところ私の想像の域を出ないんだけど、歴史の教訓を忘れないこと。そして、感情が政治や外交を歪めるリスクは常に存在するという意識...

続・奈良ティブ選挙

    ナラティブ(narrative)というのは「語り」「物語」を意味し、話し手の視点、感情、体験に基づき紡がれる終わりなき物語のことだ。     高市話法の「奈良ティブ」も然り。奈良の鹿への加害では、SNSで見た→私自身が目撃。討論番組出席中止では、支持者に強く手を引っ張られた→公認証書を渡す際→官房長官が決めたと、変遷していく。どうしたって、その場しのぎの印象が強くなる。     また、レアアース採掘 では、レアアース含む可能性のある泥回収のニュースに対して、高市は、日本は、これから今の世代も次の世代もレアアースには困らない。と、自らの期待を事実であるかのように発信している。これを首相からのメッセージとして受け取る側の国民は、完全に事実誤認しちゃうよね。     奈良ティブの特徴をまとめると、以下の3点に集約される(私調べ)。 ① 事実が感情に置き換わる (鹿の件、目撃談の変遷) ② 期待や願望が政策になる (レアアース「困らない」発言) ③ 間違いを撤回しない (存立危機事態・台湾有事)     その帰結として、「首相の内面が国家の判断基準になる」。 客観性を欠き、事実とも異なる政策が独善的に進められていくのは、日本の国民にとって、不幸な未来を呼び寄せる可能性が高い。     事実よりも首相の語りが優先されて、後戻りする事の無い政治は、政治制度としての独裁制ではないけれど、実質的には独裁と変わらないと思うんだ。     安倍晋三元首相は、かつて、「これまでとは違う新しいお約束」と言ってのけるちゃぶ台返しを行なったけど、今後の高市政権下では、これが頻繁に起こることにだろう。 過ちを認め撤回することは無く、都合良く上書きする。謝ったら死ぬ病で国の舵取りをやられると、軍拡・戦争のできる体制づくりにのめり込みな高市だけに、戦争への不安が広がる。     一見、前向きな奈良ティブは、平時には未来への希望にも見える。 だけど有事には、最も危険な意思決定装置になる。     今からやって来る、「未来への投資」や「安全保障」のための増税に耐えるのもしんどいだろうけど、さらにその先には、徴兵制度の復活...

菅原一秀さんは、こんな人

    元衆議院議員の菅原一秀さんが、この度の2026年2月8日が投票日となる衆議院選挙に立候補している。     今回の選挙は、公告から投票日までがわずか16日間とあって、有権者が候補者について調べる間もなく投票日を迎えかねない状況になっているよね。     そこで、少々お節介ながら、私が以前から注目している菅原一秀さんの人となりについて紹介させて欲しい。そして、投票の目安の1つとして頂けたら嬉しく思います。     まず第一に、菅原一秀さんは、何事にもめげない諦めない人だ。 公職選挙法違反の疑いをかけられた時に議員辞職し、その後、有罪判決を受けて、3年間の公民権停止ののち、カムバックを狙った選挙で落選、しかし今回の選挙でも自民党の公認を受けてカムバックを目指しているんだ。     そこまでして国会議員の座にしがみつきたいのか、余程の旨味があるのだろうなどと勘ぐる人もいるけど、そうした風評が菅原一秀さんの内心を正しく表しているとは限らない。内心は本人にしか分からないのだから。諦めず執念深く、選挙にチャレンジしているという事だけが事実だ。     菅原一秀さんは、夢みる大切さを忘れない人のようでもある。高校時代の菅原一秀さんは、強豪高校の野球部に所属する球児だったんだ。厳しいポジション争いの中、バッティングピッチャーという絶妙なポジションを得てチームに大きく貢献した。ベンチ入りすること自体が無かったから、1度も甲子園には出場していない。本当はずっと観客席から応援していたんだけど、選挙公報には、「4度の甲子園出場」と書いた。     これは夢見る大切さと、補欠選手だって甲子園出場選手に負けない誇りを持て、と伝えたかったんだと思う。決して見栄による嘘、いわゆる虚偽の記載とは別物と信じたい。     また、菅原一秀さんには、女性をとても大切にする人の一面もあるかもしれない。 「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子どもを産んだら女じゃない」という暴言を吐いたとされているけど、本当の菅原一秀さんの姿とは少々異なっているかもしれない。     その根拠は、交際女性をハワイへのゴルフ旅行に招...

奈良ティブ選挙

    最近耳にするようになった、ナラティブ(narrative)という言葉は、客観ではなく語り手の視点が中心、対話や状況によって紡ぎ直されていく、事実そのものより感情移入や共感を生み出す物語を指すらしいね。     私はてっきり、奈良出身の政治家が話す、奈良の鹿が外国人に蹴られた話が、SNSで見た→撤回するわけにはいかない→私自身の目撃談と、 次第に紡ぎ直されていく逸話そのものなので、そこから「奈良ティブ」って造語が作られたのかと思っていたけど、ちゃんとした英語だったのね…     そんな奈良出身の政治家こと、高市早苗首相が、「今円安だから悪いって言われるけれども、輸出産業にとっては大チャンス。」「円安でもっと助かってるのが、外為特会っていうのがあるんですが、これの運用、今ホクホク状態です。」「だから国内投資をもっと増やしたい。そう思ってます。」という発言をしたそうな。     それが本当なら、日本という国家にとって良いことずくめだねぇ。ということは私たちにとっても良いことずくめだろうか?     いやいや、これは政策説明というより、「今は苦しいけれど実は大丈夫だ」という安心を与えるための物語だ。客観的事実ではなく、感情移入や共感を得ることを目的とした、奈良ティブだよ。     輸出産業は、本当にそんなに儲かっているかな?日本は、輸入した原材料を加工して輸出する事が多いから、円安下では原材料費が高くて、案外と薄利多売になってしまっているのではないか。そして、輸出している大企業は儲かっていても、そこに部品なりを納めている中小企業は、原材料費の高騰をなかなか価格に転嫁できずに苦しんでいるのではないだろうか。輸出大企業の業績だけで景気は測れない。     円安で儲かった企業が国内投資するといっても、人手不足を補うプランは無く、外国人の労働市場への門戸を広げるという話は、むしろ逆行している。     また、円安で外為特会がホクホクなどと、円安インフレに苦しんでいる国民に向かって、よくそれが言えるものだと、呆れるのを一周して感心してしまう。     外為特会でホクホクと感じるなら、物価高による消費税...