本気で詰めてくる中国に、マイルド大政翼賛会で対応できるのか?
たかが舌禍。沈静化を待とう。政府もマスコミも、まるで阿吽の呼吸のように「波風を立てないマイルド大政翼賛会方式」を選んでいるように見える。しかし、そんな姿勢で急場をしのいだところで、何の解決にもならない。なぜなら中国は、もはや経済摩擦レベルではなく、日本に対して本気で詰めにかかっているからだ。
最近、中国は「日本の治安が悪化しており、中国人が危険だ」「日本には敵国条項があるから攻撃できる」と、この二つのメッセージをセットで発信している。これは単なる舌戦ではなく、国際常識的には開戦の暗喩に近い。外国に対して軍事行動を正当化する際、「自国民の保護」を理由にするのは歴史的に常套句であり、ロシアのクリミア侵攻でも使われた。日本の政府やマスコミがこの二つの発言の意味を正しく理解していないとすれば、それこそ国家の安全保障上の重大な欠陥だ。理解していながら口をつぐんでいるとするなら、それはそれで問題だが。
さらに、レアアースの禁輸をめぐる議論でも、「中国が止める止めない」の短期的な視点ばかりが強調されている。しかし本質はそこではない。中国は資源を外交カードとして扱い、日本経済と製造業の弱点を正確に突いてきている。尖閣周辺での海警船の行動パターンの変化や、海底地形の調査強化を見ても、資源・海洋権益をめぐる構図は明らかだ。
一方で日本は、都市鉱山の潜在力や海底レアアースなど、長期的に自立できる道を持ちながら、それらを「危機時の話題」程度にしか扱えていない。政府の長期戦略は弱く、マスコミも本質議論には踏み込まず、国民も「経済摩擦の一種」として受け流してしまいがちだ。この空気こそが、中国にとって最も都合が良い。
必要なのは、短期的な「火消し」ではなく、長期視点での産業・外交・安全保障の再構築だ。海洋資源の調査強化、技術開発による資源自立、国際法と国際世論を組み合わせた外交攻勢、そして日常的な海洋プレゼンスの確保。米国依存だけでは不十分で、日本自身が主体的に動く必要がある。
中国のメッセージはすでに明確だ。日本はそれに気づかないふりをしている場合ではない。先手を取り、自国の領海と産業基盤を守る戦略を構築できるかどうか。今まさにその岐路にある。